2026年8月10日

健康診断で「血圧が高めですね」「一度、医療機関を受診してください」と言われたものの、特に症状もなく、そのままにしていませんか?
高血圧は、ほとんど症状がないまま進行することが少なくありません。
「体調は悪くないから大丈夫」
「去年も同じくらいだった」
「まだ薬を飲むほどではないと思う」
そう考えている方にこそ、知っておいていただきたいことがあります。
血圧が高くても、症状がないことがほとんどです
高血圧で注意したいのは、自覚症状の有無だけでは判断できないという点です。
血圧が高い状態が続くと、血管には少しずつ負担がかかります。その状態が長期間続くことで、脳卒中や心臓病、腎臓病などのリスクが高くなります。
そのため、「症状が出てから治療する」のではなく、症状がない段階から血圧を適切に管理することが大切です。
健診で一度高かっただけで「高血圧」?
健康診断で血圧が高かったからといって、それだけで高血圧と決まるわけではありません。
緊張や睡眠不足、運動、喫煙、カフェインなどによっても血圧は変動します。また、病院や健診会場では血圧が高くなる「白衣高血圧」と呼ばれる状態もあります。
反対に、健診では正常でも、自宅では血圧が高くなるケースもあります。
そのため、健診で血圧を指摘された場合には、家庭での血圧測定が非常に重要です。
朝と夜など、できるだけ同じ条件で血圧を測定し、数日から1週間程度記録しておくと、診察時の大切な情報になります。
高血圧を放置するとどうなる?
血圧が高い状態が続くと、全身の血管に負担がかかります。
その結果、動脈硬化が進み、将来的に脳梗塞・脳出血などの脳卒中、心筋梗塞や心不全、腎機能低下などにつながる可能性があります。
問題なのは、こうした変化が起きている途中でも、本人にはほとんど症状がない場合があることです。
「元気だから大丈夫」と考えるのではなく、症状がないうちから将来のリスクを減らしていくことが高血圧治療の大きな目的です。
「薬を飲みたくないから受診しない」はもったいない
「病院に行ったら、すぐに血圧の薬を飲まされるのでは?」
そう心配される方もいらっしゃいます。
しかし、血圧が高いからといって、すべての方がすぐに薬を始めるわけではありません。
血圧の程度だけでなく、年齢や生活習慣、肥満、喫煙、糖尿病、脂質異常症、腎機能などを総合的に確認し、その方のリスクに応じて治療方針を考えます。
特に比較的軽度の高血圧では、食事や運動、体重管理、飲酒などの生活習慣を見直すことも重要です。
受診すること=薬を飲み始めること、ではありません。
まずは「なぜ血圧が高くなっているのか」「今どのくらいのリスクがあるのか」を知ることが大切です。
血圧だけでなく「去年からの変化」にも注目してください
健康診断の結果を見るとき、多くの方は基準値から外れている項目だけを確認します。
しかし、ぜひ見ていただきたいのが前年からの変化です。
たとえば、まだ基準値を大きく超えていなくても、
数年間で少しずつ血圧が上がっている
体重や腹囲も増えてきた
血糖値やコレステロールも悪化してきた
といった変化が重なっている場合、生活習慣を見直すタイミングかもしれません。
健康診断は「病気かどうか」を確認するだけでなく、将来の病気を予防するために、今の自分の変化を知る機会でもあります。
よくあるご質問
Q. 血圧はいくつくらいから高血圧ですか?
血圧は、医療機関で測定した値と家庭で測定した値で基準が異なります。
また、一度の測定値だけで判断するのではなく、複数回の血圧や家庭血圧などを確認しながら判断します。
健診で血圧が高いと指摘された場合は、「その日の血圧だけ高かった」と自己判断せず、自宅でも血圧を測ってみることをおすすめします。
Q. 健診で血圧が高かったら、すぐ病院に行くべきですか?
健診で「要受診」「要精密検査」などの指摘があれば、一度医療機関で相談することをおすすめします。
特に、以前より血圧が上がってきている方や、糖尿病・脂質異常症・肥満・喫煙など、ほかのリスクがある方では、血圧だけでなく全体的な健康状態を確認することが大切です。
Q. 家では正常なのに、健診では血圧が高くなります
医療機関や健診会場で緊張して血圧が高くなる「白衣高血圧」の可能性があります。
ただし、「家では大丈夫だから問題ない」と自己判断するのではなく、家庭血圧を記録して医師に見せることが重要です。
Q. 血圧の薬は一度飲み始めると一生やめられませんか?
必ずしも「一度始めたら一生やめられない」というわけではありません。
体重減少や食生活の改善、運動習慣などによって血圧が改善し、医師の判断で薬を減量できる場合もあります。
一方で、自己判断で薬を中断すると血圧が再び上昇することがあります。薬の減量や中止については、必ず医師と相談しましょう。
Q. 若くても高血圧になることはありますか?
高血圧は中高年だけの病気ではありません。
若い方でも、肥満、塩分の多い食生活、運動不足、飲酒、睡眠不足などが血圧に影響することがあります。
また、比較的若い方の高血圧では、別の病気が原因となって血圧が上がる「二次性高血圧」が隠れていることもあります。
若いから大丈夫と考えず、血圧が高い状態が続いている場合は一度ご相談ください。
健診で血圧を指摘された方は、一度ご相談ください
高血圧は、早い段階では自覚症状がほとんどありません。
だからこそ、健康診断での指摘は、ご自身の健康状態を見直す良いきっかけになります。
当院では、健診結果や家庭血圧を確認しながら、必要に応じて血液検査などを行い、現在の状態を評価します。
また、薬による治療だけではなく、食事・運動・体重管理なども含めて、その方に合った血圧管理を一緒に考えていきます。
「健診で血圧を指摘されたけれど、病院に行くほどなのかわからない」
「薬を飲む前に、まず生活習慣から改善したい」
そんな段階でも構いません。
健康診断の結果をお持ちのうえ、お気軽にご相談ください。
